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学生がゆく!京都”旬“見聞録 Vol.3
東寺の歴史を巡る旅 〜弘法市と幻のどら焼を訪ねて〜

発売期間は月にわずか3日間!幻のどら焼を食べに…

秋といえばやはり忘れられないのが「味覚の秋」でしょう。
朝晩はすっかり涼しくなり、いよいよ秋本番といった感じの京都。
街をぶらぶら散策したくなる季節でもありますね。
散策といえば、弘法大師と大変関係の深い東寺で毎月開かれている「弘法市」。
そして、東寺と深い関係を持つ京菓匠・笹屋伊織では、毎月20日〜22日までのたった3日間しか販売しないという幻のどら焼があるという噂を聞きつけ、早速調査してきました。

今回の「みやこ調査隊」は
立命館大学産業社会学部1回生 堀川 鮎美さん


平安左市遺店菓匠最旧老舗  笹屋伊織の歴史

時は遡ること約300年。
笹屋伊織は今とは違う場所に店を構えていました。
笹屋伊織は、享保元年(1716年)創業より左市(現・七条堀川付近)に店を構えていました。
今でも「平安左市遺店菓匠最旧老舗  笹屋伊織」と称されている由縁で、これは 「平安京の左市に残っていた店の中で、最も歴史ある老舗の菓匠」という意味です。


<平安京概略図>


幻のどら焼を訪ねて…


早速、お店を訪ね、歴史あるどら焼を試食させていただきました。
これが、笹屋伊織の幻のどら焼。あれ?私の知っているどら焼とは姿が全く違う…
カットしてみると…やっぱり違う。


笹屋伊織十代目当主夫人(女将)
田丸みゆきさん

「皮が凄くモチモチして、おいしいです。初めての食感ですね。」 でも、なんでこんな形なんだろう…

Q:
私たちの知っているどら焼とは形が違うのですが、なぜですか?
A:

このどら焼は、お寺でも作れるようにと鉄板ではなく青銅製で円盤状の打楽器「銅鑼(どら)」を使っています。銅鑼を使って焼くからどら焼となったわけです。
皆さんがご存じのどら焼は銅鑼の形をしているからどら焼と名がついた

まったく別のお菓子ですよ。
Q:
このどら焼はどのようにして生まれたのですか?
A:
江戸時代末期、5代目当主笹屋伊兵衛が京都の東寺のお坊さんより、副食となる菓子を作って欲しいとの依頼を受けました。そこで、お寺でも作れるようにと鉄板の変わりに「銅鑼(どら)」を使うことを考えついたのが笹屋伊織の「どら焼」の始まりです。
昔は、東寺さんにしか出さないお菓子だったのですが、一般のお客さんが「是非、食べたい」というお声がありましたので、一般にも発売するようになりました。
Q:
なぜ毎月3日間しか売らないのですか?
A:

1本1本手作りの、すごく手間のかかるお菓子ですから、毎日作るわけにはいかないんです。他のお菓子も作らないといけませんからね。

それで、最初は弘法市が行われている21日だけ販売していたのですが、デパート出店を機にデパートの定休日と重ならないように前後1日ずつ加えて3日間になりました。
Q:
当時からこの形ですか?また、材料も同じなのですか?
A:

はい、昔から形も材料は変わっていませんし、手づくりというのも一切変えていません。

  しかし、現在は甘過ぎるお菓子は敬遠されますから、甘さ控えめになるように材料の分量は変えています。
Q:
皮の部分がすごくモチモチして独特な食感だったのですが、材料は何を使っているのですか?
A:
はちみつ、水あめ、小麦、砂糖を使っています。   お餅のような食感ですが、お餅は一切使っていないんですよ。

「弘法市」が開催される東寺の歴史

「今日は21日で弘法市やから、見ておいで」と女将さんに言われ、
私たちは東寺の弘法市へと向かいました。

毎月21日は弘法市で東寺が賑わう日です。
弘法市の弘法は弘法大師のことで東寺とは深い関係があるのです。
東寺(正式名称:教王護国寺)は平安京遷都(794年)の際に正面入り口の羅生門を挟んで東西に建立された寺院の一つで、「左大寺」とも言います。
東寺と西寺の2つが建立されていたと伝えられていますが、現在は東寺しか残っていません。
元々は左京、東国の鎮護を目的として建てられましたが、弘仁14年(823年)に嵯峨天皇が空海(弘法大師)に東寺を勅使したことから真言密教の根本道場の意味合いを持つようになりました。 また、東寺が本格的に活動を始めたのは、空海がこの寺に入ってからであるとされていますので、弘法大師信仰の強いお寺といえるのではないでしょうか。

京都で最も大規模な青空市へ


弘法市では、骨董品や盆栽・苔玉や秋の味覚がたくさん出ていました。
かなりたくさんのお店がでていますから、全て見て回るだけでも大変です。
みなさんも、京都を訪れる際は21日の弘法市にも出かけてみてはどうですか。

取材しての感想

笹屋伊織では、はじめは凄く緊張しましたが、女将さんがとても優しくて気さくな方だったので、リラックスした状態でインタビューでき、笹屋伊織さんのどら焼を作る大変さや歴史について良く分かりました。また、食べてみて、私は普通のどら焼よりも笹屋伊織さんのどら焼の方が好きだなと思いました。
弘法市には今回初めて行きましたが、出店に秋の味覚や京都らしいものなどが出ていて、とても活気に満ちていました。 この1日で、たくさんの京都を満喫できたと思います。せっかく、京都という歴史があり、歴史が残っている町に住んでいるのだから、これからも京都ならではの物に触れてみたいと思いました。
今回紹介した場所
京菓匠 笹屋伊織
所在地:〒600-8831 京都市下京区七条通大宮西入花畑町86
電話:075-371-3334

東寺(弘法市)
所在地:京都府京都市南区九条町1
JR「京都駅」西口から南西へ徒歩15分
弘法市は毎月1回、21日に開催